国際ロマンス詐欺はここ数年で質も量も拡大し、被害額は高水準、被害層は中高年から若年まで広がっています。
出会いはSNSやマッチングアプリ、連絡はDMやチャット、資金移動は暗号資産や海外送金という流れが定番です。
警察庁は「SNSその他の非対面手段で恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭をだまし取る詐欺」と定義し、注意項目を公表しています。
国内統計だけ見ても勢いは明白です。
警察庁の最新公表では、2025年7月末時点の「特殊詐欺およびSNS型投資・ロマンス詐欺」の認知件数・被害額は前年同期比で大幅増となり、被害額は既に前年の通年額を上回りました。
上半期の暫定値も件数・被害額とも二桁増で推移し、実態は拡大基調と読み取れます。
詐欺側は役職者や海外駐在を装い、関係形成を急ぎ、渡航費やビザ、治療費、共同投資など名目を変えながら繰り返し送金させます。
被害者像も広く、ロマンス型では40〜60代の比重が高いという年齢分布が示されています。
海外の動向も深刻です。
FBIのIC3年次報告では2024年に通報損失額が過去最大に達し、ロマンス詐欺は高額損失カテゴリの一つとして繰り返し注意喚起されています。
報道各社も同報告を踏まえ、年間損失が160億ドル超規模に拡大したと伝えています。
さらにINTERPOLは2024年に61か国横断の作戦で口座凍結・巨額資産押収・数千人規模の検挙に踏み込み、2025年にはアフリカ14か国でロマンス・色仕掛け型の一斉摘発を発表しました。
詐欺は国境を越えて組織化し、被害資金は多段で洗浄されるため、初動と通報が勝負になります。
今回は、国際ロマンス詐欺の典型シナリオの分解、見分けポイント、被害後の通報・返金オプションについて解説します。
AIによる画像生成や翻訳でプロフィールが精巧化し、偽サイトや偽サポート窓口まで用意される今、個人での直感頼みは危険です。

相手の肩書や写真は必ず検証、金銭の話が出たら返信停止、証拠を確保し、消費生活センターや警察にすぐ相談、これを基本動作にしてください。
国際ロマンス詐欺とは何か
国際ロマンス詐欺は、インターネットを通じた「恋愛」や「結婚」を装い、海外在住を名乗る人物が被害者の信頼を獲得してから金銭をだまし取る犯罪です。
SNSやマッチングアプリの普及により接点が容易になり、詐欺グループは組織的に巧妙なシナリオを用意して接触してきます。

被害者は「愛情」や「結婚」という真剣なテーマに心を傾けるため、金銭の要求が出ても不自然さに気づきにくいのが特徴です。
国際ロマンス詐欺の定義と特徴
国際ロマンス詐欺は、主に海外を拠点とする詐欺グループが「恋愛・結婚」を餌に金銭を得る行為です。
典型的には「海外駐在員」「軍人」「医師」「投資家」といった肩書きを使い、経済的にも社会的にも魅力的な人物を装います。
被害者が心を開いた段階で「渡航費が必要」「病気の治療費を助けてほしい」「二人の未来のために投資を」といった名目で送金を求めてきます。

手口がシナリオ化されており、同じ言い回しが複数の被害事例で確認されるのも特徴です。
恋愛詐欺や結婚詐欺との違い
恋愛詐欺や結婚詐欺と混同されやすいものの、国際ロマンス詐欺には明確な違いがあります。
恋愛詐欺は「恋愛感情」を利用し、結婚詐欺は「結婚を約束」することで金銭を引き出します。
これに対して国際ロマンス詐欺は「海外要素」が強調され、被害金が国際送金や暗号資産を通じて移動する点が特徴です。

そのため資金の追跡や返金が国内の詐欺より難しく、被害額が高額化しやすい傾向があります。
国境を超えて組織的に行われる背景
国際ロマンス詐欺は個人の犯行ではなく、組織的に実行されるケースが多いです。
詐欺グループは写真素材や偽プロフィールを共有し、AI翻訳を駆使して多言語でやり取りを行います。
資金の受け皿には「マネーミュール」と呼ばれる協力者の銀行口座や暗号資産ウォレットが使われ、複数の国を経由させて資金洗浄が行われます。

国際的なネットワークを利用しているため、被害者が警察に相談しても追跡が困難な場合が少なくありません。
「国際ロマンス詐欺」と検索される理由
「国際ロマンス詐欺」というキーワードが頻繁に検索される背景には、被害者が「もしかして自分も詐欺に遭っているのでは」と疑念を抱く状況が多いことがあります。
特に「海外の恋人から突然お金を求められた」「SNSで出会った人がすぐに結婚を約束してきた」といった場面で不安を感じ、検索する人が増えています。
また、警察庁や国民生活センターが公式サイトで注意喚起を行っていることも、一般ユーザーがリスクを意識するきっかけとなっています。
国際ロマンス詐欺は、恋愛や結婚という人生に直結するテーマを利用する極めて悪質な犯罪です。

定義や特徴を正しく理解しておくことで、不審なサインを早期に察知し、被害を未然に防ぐ行動につなげることができます。
国際ロマンス詐欺の典型的な手口
国際ロマンス詐欺は、ターゲットの「恋愛感情」や「結婚願望」を巧みに利用し、最終的には高額な送金をさせる流れが定番です。

手口は一見すると自然な恋愛の進展に見えるため、被害者は「詐欺かもしれない」と疑うタイミングを失いやすくなります。
SNSやマッチングアプリでの接触
詐欺師が最初に接点を持つ場は、SNS(Facebook、Instagram、Xなど)やマッチングアプリです。プロフィール写真はモデルや俳優から盗用されていることが多く、内容は「外資系勤務」「軍人」「医師」「エンジニア」といった高収入で尊敬を集めやすい職業に設定されます。
メッセージは最初から丁寧かつ親密で、数日から数週間のうちに「あなたは特別」「結婚を考えている」といった強い愛情表現を行います。

自然な恋愛の進行を装いつつ、短期間で心理的な距離を縮めるのが特徴です。
「渡航費」「ビザ手続」を名目に金銭要求
関係を深めた後に必ず出てくるのが、渡航や結婚準備を名目にした金銭要求です。
「あなたに会うために日本へ行きたいが航空券が買えない」「ビザ手続きに数十万円かかる」「通関でトラブルになり荷物を受け取れない」といった理由を掲げて送金を求めてきます。

実際には存在しない費用や架空のトラブルであり、最初は比較的少額を要求し、その後「もう少しで解決できる」と言いながら段階的に額を引き上げていくのが典型です。
暗号資産や送金サービスを利用する流れ
被害金の受け取り方法としては、銀行振込よりも追跡が困難な仕組みが多用されます。
代表的なのが暗号資産(ビットコインなど)や海外送金サービスです。「国際送金ならすぐに受け取れる」「投資口座に入れれば将来二人の資産になる」といった口実を使い、被害者に特殊な手続きやアプリの利用を迫ります。

これによって、資金は複数の口座やウォレットを経由して分散され、取り戻すことが難しくなります。
写真や肩書を偽装したプロフィールの演出
詐欺師は自らの人物像を補強するために、巧妙なプロフィールの演出を行います。
SNSに豪華な食事や高級車の写真を投稿し、「経済的に余裕がある」ことをアピールします。
前述したように、肩書きは「海外駐在員」「医師」「軍人」など社会的地位の高い職業を名乗り、被害者に「信頼できる相手」と思わせます。
さらに、ビデオ通話は避ける一方、ストックフォトや盗用写真を送り続けることでリアリティを演出します。
こうした虚像が積み重なることで、被害者は「将来を約束できる相手」と誤解してしまうのです。
国際ロマンス詐欺の手口は、「魅力的な出会い → 信頼関係の構築 → 緊急性を伴う金銭要求 → 継続的な送金」というパターンに収束します。

最初から警戒していれば不自然さに気づけますが、恋愛感情が絡むと冷静さを失いやすいため、事前知識としてこうした典型パターンを知っておくことが最大の防御となります。
国際ロマンス詐欺に狙われやすい被害者の特徴
国際ロマンス詐欺は、誰もが被害者になり得る犯罪ですが、特に狙われやすい心理や環境を持つ人々が存在します。

詐欺師はターゲットの弱点を巧みに突き、感情や生活状況に付け込んでいきます。
「海外との恋愛」に憧れる心理
国際ロマンス詐欺の出発点は、「海外の人と恋愛したい」「異文化の相手と結婚したい」という憧れです。
映画やドラマで描かれる国際的な恋愛像がロマンチックに映り、現実の生活に物足りなさを感じる人にとって強く惹かれるテーマになります。
詐欺師はその心理を逆手にとり、「私は海外駐在のエリートだ」「君を日本に迎えに行きたい」と甘い言葉を巧みに織り交ぜて接近します。

結果として、現実では冷静に判断できる金銭要求にも「本気で自分を愛しているのだ」と誤解してしまいやすくなります。
孤独感や自己肯定感の低下につけ込む手口
孤独や不安を抱える人は、詐欺師にとって最も狙いやすいターゲットです。
特に離婚後や家族関係の変化で孤独を感じている人、自分に自信を失っている人は、「あなたは特別だ」「愛している」といった言葉をかけられることで一気に心を開いてしまいます。
詐欺師は被害者のSNSや会話の中から心理的な弱点を探り、的確に「承認欲求」を満たす言葉を投げかけます。

こうした「心の隙間」を突かれると、多少不自然な金銭要求であっても「助けてあげたい」と思いやすくなるのです。
中高年層や女性がターゲットにされやすい背景
統計的に見ると、国際ロマンス詐欺の被害者には中高年層、特に女性が多い傾向があります。
理由のひとつは「結婚やパートナーを望む気持ちが強い年代」であること、もうひとつは経済的にある程度の余裕を持っているケースが多いためです。
子どもが独立した後の50〜60代の女性は、生活基盤が安定している分、詐欺師にとって「大金を狙える層」と認識されています。

また「もう一度恋愛したい」「老後を一緒に過ごす相手が欲しい」といった願望も利用されやすい要素です。
「投資」や「結婚資金」と絡める複合的詐欺
近年増えているのが「投資型ロマンス詐欺」と呼ばれる形態です。
これは恋愛関係を築いたうえで、「二人の将来のために投資をしよう」と持ちかけ、偽の投資サイトに誘導するものです。
「結婚資金を一緒に貯めよう」といった言葉で安心感を与え、初めは小額の利益を見せて信用させ、最終的に高額を失わせます。
恋愛詐欺と投資詐欺を組み合わせた複合型は特に巧妙で、被害者は「愛情と将来への約束」によって判断力を奪われるため、被害額も大きくなりやすいのです。
国際ロマンス詐欺は「心の隙間」や「将来への願望」に狙いを定めて仕掛けられます。

被害を防ぐには、自分自身が置かれている心理的な状況を客観的に理解し、冷静な視点を失わないことが何より大切です。
国際ロマンス詐欺の見分け方について
国際ロマンス詐欺は一見すると自然な恋愛関係に見えるため、被害者が早い段階で疑いを持ちにくいのが特徴です。
しかし、冷静に観察すれば必ず「不自然なサイン」が潜んでいます。

具体的な見分け方と、ポイントを解説します。
国際ロマンス詐欺の見分け方は?
国際ロマンス詐欺の基本的な流れは「急速に距離を縮める → 甘い言葉を繰り返す → 金銭を要求する」です。
数日から数週間のやり取りで「結婚したい」「家族に紹介したい」といった大きな約束をするのは典型的な詐欺の兆候です。
また、金銭の話題が出た時点で詐欺の可能性を強く疑う必要があります。

特に「海外から日本に行くための渡航費」「ビザ取得の手続き費用」を求められるのは典型的なシナリオです。
公的機関の注意喚起や警察発表を確認
警察庁や国民生活センター、消費者庁は国際ロマンス詐欺について継続的に注意喚起を行っています。
公式サイトには具体的な事例や相談窓口が掲載されており、最新の手口が公開されています。
被害に遭っているか不安な場合は、これらの公的情報と自分のケースを照らし合わせることで「詐欺かどうか」を客観的に判断できます。

また、警察署の生活安全課やサイバー犯罪対策課に直接相談することも可能です。
プロフィールや会話で不自然な特徴
プロフィールに「軍人」「医師」「外資系エリート」「海外駐在」などの肩書きを持つケースは警戒が必要です。
特に「高収入」「 widowed(配偶者と死別)」といった設定が組み合わさっている場合、典型的な詐欺パターンとされています。
会話の中では「あなたは特別」「一目で恋に落ちた」など過剰な愛情表現を短期間で繰り返すのも不自然です。

さらに、時間帯が不規則、文章が翻訳調でぎこちない、直接会話やビデオ通話を避けるといった行動も危険信号です。
写真の盗用や経歴詐称を調べる方法
国際ロマンス詐欺の多くはインターネットから盗用した写真を使用しています。
Google画像検索やTinEyeなどのリバースイメージ検索を使えば、同じ写真がモデルや他人のSNSから盗用されたものであると判明するケースが多くあります。
また、経歴や勤務先を名乗っている場合は、商業登記や会社の公式サイトで確認することができます。
実在しない会社や存在しない部署を語っていることも珍しくありません。
国際ロマンス詐欺の見分け方は「相手の言葉を鵜呑みにせず、事実を裏付ける」という姿勢に尽きます。

感情ではなく情報を基準に判断することで、早期に不自然さを見抜き、被害を未然に防ぐことが可能です。
国際ロマンス詐欺の実際の被害事例と声
国際ロマンス詐欺は「まさか自分が騙されるとは思わなかった」と語る被害者が後を絶ちません。
SNSや掲示板に投稿された体験談や、報道・裁判記録からもその実態が明らかになっています。

では、どのようにして詐欺が進行し、被害者がどんな心理状態に陥っていくのでしょうか?

SNSや掲示板に寄せられた被害談
X(旧Twitter)、5ちゃんねる、Yahoo!知恵袋などには「国際ロマンス詐欺に遭った」「海外の軍人を名乗る人に騙された」といった相談が数多く寄せられています。
典型的な内容は「SNSで知り合った外国人から熱烈な愛情表現を受けたが、渡航費や関税を理由にお金を送ってしまった」というものです。

中には数十万円から数百万円を失い、家族に相談できずに苦しむケースも多く報告されています。
高額な送金をして泣き寝入りしたケース
金融庁や警察庁の公表資料によると、被害額が数百万円から数千万円にのぼる例も珍しくありません。
特に「今すぐ送ってくれないと渡航できない」「ビザが取れない」と急かされ、まとまった資金を送金した後に連絡が途絶えるパターンが典型です。
被害者の多くは「返金を求めても相手が連絡を絶ち、どうすることもできなかった」と証言しています。

国際送金や暗号資産を介した場合、追跡が極めて困難であり、実際に泣き寝入りせざるを得ない人が多数存在します。
投資型ロマンス詐欺と結婚話が絡む事例
近年増加しているのが「投資型ロマンス詐欺」と呼ばれる複合的な手口です。
最初は恋愛感情を利用して信頼を築き、「あなたと結婚したい、そのために経済的に安定しなければならない」と投資を持ちかけます。
海外の仮想通貨取引所や架空の投資プラットフォームを紹介し、被害者に大金を入金させる流れが一般的です。

このタイプは「結婚」と「資産形成」を同時に利用するため、被害者が疑いを持ちにくく、結果として被害額が膨れ上がりやすいのが特徴です。
弁護士相談で一部返金に至った例
全額回復は困難ですが、弁護士に相談したことで一部返金に至った事例も存在します。
例えば、詐欺師が日本国内の銀行口座を経由して資金を受け取っていた場合、振込先の金融機関や口座名義人を特定し、法的手続きを通じて資金を差し止めることが可能です。
また、海外の口座に送金したケースでも、送金の直後であれば銀行を通じて停止処理ができる場合があります。
消費生活センターや国民生活センターに相談し、早期に弁護士へ依頼することが被害回復の唯一の道筋となっています。
国際ロマンス詐欺の被害事例は、単なる金銭的損失にとどまらず、精神的なダメージや人間関係への悪影響も深刻です。
「恥ずかしくて誰にも相談できなかった」と語る人も多く、孤立感が被害をさらに深刻化させます。

だからこそ、早期に第三者へ相談し、同じ被害者を生まないために情報を共有することが大切です。
国際ロマンス詐欺に遭った場合の対処法
国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合、放置すると被害が拡大し、資金回収の可能性も急速に低下します。

被害者の多くは「恥ずかしい」「自分が悪い」と感じて相談をためらいますが、早期に行動することで被害額を抑えられるだけでなく、同じ手口で他の人が被害に遭うのを防ぐ効果もあります。
消費生活センターへの相談方法
まず最初の窓口として有効なのが消費生活センターです。局番なしの「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活センターへつながります。
ここでは被害内容を聞き取り、クーリングオフ制度の適用可否や返金の可能性についてアドバイスを受けられます。
さらに、被害の性質に応じて警察や弁護士など専門機関への連携も行われます。

特に「国内の口座に振り込んだ」「業者が日本国内に拠点を持っている」といったケースでは、消費生活センターの介入で資金回収につながる可能性が高まります。
警察への被害届提出の流れ
被害額が大きい場合や、海外送金・暗号資産を利用した詐欺に遭った場合は、警察への被害届が不可欠です。
最寄りの警察署の生活安全課またはサイバー犯罪対策課に相談し、送金記録・メールやSNSのやり取り・相手のプロフィール情報などを証拠として提出します。
被害届を出すことで、警察が捜査に着手する可能性があり、今後同じ詐欺グループの検挙や他の被害者との情報共有につながる場合もあります。

ただし、国際的な詐欺グループが相手の場合、日本国内での法的措置だけでは限界があることも理解しておく必要があります。
弁護士や司法書士に依頼する場合
被害額が大きく、返金の可能性を探る場合には弁護士への相談が有効です。
弁護士は振込先口座の差し押さえ、相手への損害賠償請求、国際的な法的手続きのサポートを行えます。
また、司法書士でも140万円以下の案件については代理権を持っており、返金交渉を依頼することが可能です。

特に、国内口座を介して送金が行われた場合、早期に専門家へ依頼すれば資金の凍結や返還につながる可能性があります。
被害金回収の可能性と限界
残念ながら、海外口座や暗号資産を通じた送金では資金回収の難易度が極めて高くなります。
詐欺師は資金を短期間で複数の口座に分散させたり、匿名性の高い暗号資産に変換することで追跡を困難にしています。
そのため、全額回収できるケースは稀であり、多くの被害者が一部回収または泣き寝入りを余儀なくされています。
しかし、送金直後であれば銀行や取引所を通じて送金停止の手続きが間に合う場合もあるため、「気づいた時点ですぐに行動する」ことが唯一の回復手段となります。
国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合、最も重要なのは「恥ずかしさから黙ってしまわない」ことです。
消費生活センターや警察、専門家に相談することで、被害の拡大を防ぎ、少しでも回収の可能性を高められます。

何より、同じ被害者を増やさないためにも、勇気を持って行動に移すことが必要です。
国際ロマンス詐欺を防ぐための予防策
国際ロマンス詐欺は、相手を信じたいという人間の自然な感情につけ込む巧妙な手口です。

しかし、いくつかの基本的な予防策を徹底すれば被害を避けることが可能です。
金銭要求を一切応じない習慣
詐欺師が必ず行うのは金銭の要求です。
「渡航費が必要」「税関で止められた」「病気の治療費がかかる」など理由は多様ですが、恋愛や結婚の関係で金銭を求めること自体が異常です。
どれだけ親密な関係に見えても、金銭要求が出た時点で詐欺を強く疑うべきです。
特に暗号資産や海外送金サービスを指定される場合は要注意です。

日常的に「恋愛関係で金銭を渡さない」という強い意識を持つことが最大の防御になります。
婚活や恋愛は第三者に必ず相談する重要性
国際ロマンス詐欺は被害者を孤立させることで成立します。
「秘密にしてほしい」「家族には言わないで」と相手が言うのは典型的な操作です。
こうした状況に陥らないためには、必ず家族や信頼できる友人に相談することが重要です。
第三者に話すことで、自分では気づけなかった不自然さやリスクを指摘してもらえます。

孤立して一人で判断せず、恋愛に関する大きな決断は必ず複数の視点を取り入れることが安全につながります。
公的機関や信頼できる相談窓口の活用
国際ロマンス詐欺は世界的に問題化しており、警察庁や消費者庁、国民生活センターなどが継続的に注意喚起を行っています。
消費生活センター(188)に電話すれば最寄りの窓口につながり、専門的なアドバイスを受けられます。
また、警察のサイバー犯罪対策課や国際的な詐欺情報を共有する機関もあり、被害未然防止に役立ちます。

こうした公的機関に早めに確認する習慣を持つことで、「詐欺かどうか」の判断に客観性を加えることができます。
「甘い言葉」を鵜呑みにせず冷静に確認
詐欺師は「あなたは特別」「結婚したい」「一生守る」などの甘い言葉を短期間で繰り返し、相手を感情的に支配します。
こうした言葉をそのまま信じるのではなく、冷静に裏付けを取りましょう。
例えば、相手の写真をリバース検索で確認する、勤務先や肩書を公的なデータベースで調べるなど、事実確認を行うことが大切です。
「言葉ではなく証拠で判断する」という意識が被害を未然に防ぎます。
国際ロマンス詐欺は「冷静さ」と「第三者の視点」があれば防ぐことができます。

感情に流されず、事実を確認し、怪しい要求があれば必ず拒否する姿勢を持つことが何よりの予防策です。
国際ロマンス詐欺についてよくある質問
国際ロマンス詐欺は被害者の数が増加しているだけでなく、手口も年々巧妙化しています。

国際ロマンス詐欺について実際によく寄せられる内容と、検索される質問について回答します。
国際ロマンス詐欺の見分け方は?
もっとも多い検索は「国際ロマンス詐欺 見分け方」です。見分けるポイントは主に3つです。
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金銭要求が出た時点で要注意(特に渡航費や医療費を名目とするケース)。
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甘い言葉を短期間で繰り返す(「結婚したい」「運命の人」といった表現)。
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相手の身元を裏付けられない(写真や肩書きが確認できない、ビデオ通話を避ける)。
これらが揃えば詐欺の可能性が極めて高く、すぐに関係を断つべきです。
国際ロマンス詐欺に遭ったら返金できるの?
「返金できるのか?」という疑問も多く検索されています。結論から言えば、全額回収は困難ですが、一部回収できるケースもあります。国内口座に振り込んだ場合は銀行に依頼して口座を凍結できる可能性があります。暗号資産や海外送金の場合は追跡が難しいですが、送金直後なら取引所に停止を依頼できることがあります。いずれの場合も、弁護士や消費生活センターにすぐに相談することが不可欠です。
国際ロマンス詐欺の加害者はどこの国が多い?
「国際ロマンス詐欺 国籍」や「国際ロマンス詐欺 どこから」といった検索も目立ちます。警察庁やFBIの公開情報によれば、ナイジェリアやガーナなど西アフリカ系の詐欺グループ、東欧やアジア圏の組織が多く確認されています。ただし、日本語で巧みに会話できる詐欺師も増えており、国籍だけで判断することはできません。大切なのは「行動パターン」と「金銭要求」に注目することです。
国際ロマンス詐欺は警察に相談しても意味があるの?
「警察に行っても解決しないのでは」という疑問もよくあります。確かに国際的な詐欺グループが相手の場合、日本国内の捜査だけで解決するのは難しいです。しかし、被害届を提出することで捜査が開始され、同じ詐欺グループを追う他の事例と照合される可能性が高まります。また、警察のサイバー犯罪対策課が国際的な捜査機関と連携するケースもあり、被害の回復や新たな被害の防止に寄与する意味は十分にあります。
国際ロマンス詐欺に遭ったかもしれないときは誰に相談すればいい?
「国際ロマンス詐欺 相談窓口」で再検索する人も少なくありません。日本国内では以下の相談窓口が利用できます。
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消費生活センター(188)
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警察(最寄りの生活安全課やサイバー犯罪対策課)
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国民生活センター(公式サイトで事例と解説を確認可能)
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弁護士会や司法書士会の無料相談窓口
早期に相談すれば被害の拡大を防ぎ、返金の可能性を高めることができます。
国際ロマンス詐欺に関するよくある質問は「見分け方」「返金」「加害者の特徴」「相談先」が中心です。

これらを理解しておけば、不安を抱いた時に冷静な判断ができ、被害を未然に防ぐ力となります。
まとめ|国際ロマンス詐欺に騙されないために
国際ロマンス詐欺は、恋愛感情という人間の最も繊細な部分を利用した悪質な犯罪です。
SNSや婚活アプリが普及したことで誰でも被害に遭う可能性があり、実際に国内でも高額被害が多数報告されています。

しかし、典型的な手口を知り、冷静に対応できれば、防げるケースが大半です。
情報収集と冷静な判断が最大の防御
被害を避けるための第一歩は「知ること」です。
警察庁や消費者庁、国民生活センターが公開している情報を定期的に確認し、最新の手口を把握しておくことが重要です。
また、甘い言葉や短期間での結婚の約束などに感情を揺さぶられても、必ず事実確認を行う姿勢が必要です。

相手の写真を画像検索で調べる、勤務先を公式サイトで確認するなど、冷静に情報を裏付ける習慣を持つことが最大の防御になります。
被害に遭ったら迅速に専門機関へ相談
もし金銭を送ってしまった場合でも、早ければ返金の可能性が残されています。
消費生活センター(188)に相談し、必要に応じて警察や弁護士に連携を依頼しましょう。
銀行や暗号資産取引所を通じて送金停止を試みることも可能で、初動の速さが被害回復の成否を分けます。
「自分が騙された」と認めるのは辛いですが、放置すれば被害は拡大し、同じグループに他の人も騙されてしまいます。

勇気を持って行動することが自分と社会を守る方法になります。
海外からの金銭要求は必ず疑う姿勢を持つ
「渡航費」「税関でのトラブル」「病気治療費」「投資チャンス」など、海外からの金銭要求はすべて疑うべきです。
恋愛や結婚を真剣に考える相手が、まだ直接会ったこともない段階で金銭を求めるのは不自然であり、詐欺の可能性が極めて高いです。
相手を信じたい気持ちは理解できますが、「愛情とお金は別問題」という冷静な線引きを意識しましょう。
国際ロマンス詐欺は誰にでも起こり得る現代的な犯罪ですが、正しい知識と疑う意識があれば防げます。

被害に遭わないために「情報収集」「迅速な相談」「金銭要求への警戒心」という3つを徹底し、安心して恋愛や婚活に臨める環境を守ることが大切です。


